漏水による火災報知器誤作動のビックリする原因調査
漏水の原因にはなかなか難しい物があります。
屋根の雨漏りや窓回りの雨漏り、水道の漏水など比較的解りやすい原因の物も有りますが時には想像しなかったようなルートから雨漏りすることがあります。
先日、とあるマンションの管理組合さんから14階建てのマンションの14階のインターホンのBOXが漏水して内部にある火災報知器のアダプターが水濡れして火災報知器が誤報をしているので見て欲しいとの依頼がありました。火災報知器のメンテ会社の方が見ても原因がわからないとのことでした。
現場に行くと……….
インターホンの子機が外されガムテープで外壁に固定されている!
そこで、問題の中継BOXの中を見ると確かに漏水してますね…
水がたまっていました。
現場は廊下から専用部に少し入った壁で上は屋上の屋根もきちんと有、水が外部からかかるような場所でも無く単純な漏水は想像できませんでした。
そこで、火災報知器と連動しているということで、マンションの図面を見てみることに…
すると、11階から14階は高層フロアのため火災報知器が設置されており、屋内消火栓兼連結送水設備の配線とインターホン系統と室内の火災報知設備の電気用配管が共用されていることが解りました。
図面を見ると14階で火災報知系の配管が消火栓の所から屋上と下階に、更に14階の各部屋のインターホンのBOXに「U」の字型に渡り配管が有ることが解りました。
考えられるのは漏水が電気配管を通って来ているのでは無いかということ。
そこで、最初に見たBの部屋の他にCの部屋のインターホンのボックスを見てみるとこの中も浸水しており、電気配管の漏水はまず間違い無い事が解りました。
そこで消火栓の所から屋上のテスト弁横にある表示灯をに配管が要っていることからここを点検してみることにしました。この表示灯は屋外にそのまま露出で設置され雨が直接掛かります。
開けてみると中はさびでグズグズになり、水の侵入の後が見えました。
原因は上の図の①の部分から漏水し②の消火栓ボックス内の中継BOXを経て③のインターホンの中継ボックスまで水が伝わっていたと言う事がわかり、①の部分を水が入らぬよう防水処置のためのプルボックスを新たに設けてここに表示灯を設けることにしました。
漏水もビックリするような原因が有る物ですね。
この原因を的確に短時間で(1時間余り)突き止める我が知識を推察の的確さに我ながら「大したもんだ」と自画自賛しておりました。