竣工までの様子

リニューアル前の物件について
- 昭和58年(1983年)に完成
- 建築確認は取得済だが、検査済証は未取得
- 現況と図面に大きな差異があり、一部に法令違反の可能性
- 石神井川沿いの軟弱地盤の影響で建物に傾き
- 外壁タイルに著しいひび割れ、内部の腐朽リスク
- 断熱性能が不十分で、冬は寒く、夏は2階が非常に暑い
- 建て替え時は延床面積が縮小する可能性あり(ただし3階建ては可)
- 耐震性に関しては、検査済証が無いため信頼性が不明
- 設備機器も現代の水準に合わず、基本的な考え方が異なる
リニューアルに必要な対応
- 【建物調査の実施】劣化状況や構造状態を正確に把握
- 【地盤対策の検討】軟弱地盤への対応必須(例:杭、地盤改良)
- 【建物の傾き修正】ジャッキアップなどの方法で是正
- 【断熱改修(サッシ含む)】快適性と省エネ性能を大幅に向上(目標:省エネ等級G2)
- 【耐震診断・補強設計・制震追加】安全性を確保し、災害に備える
- 【設備の全面更新およびスマート化】電気・給排水・照明・換気・太陽光・蓄電池・HEMSなど IoT化・スマートハウス化により効率運用を実現
- 【建物管理のCloud化】管理の効率化、人手の削減、遠隔監視・制御に対応
西側外観

- タイルの外壁に大きなクラックが入り中に水がしみこんでいる
- 部分的に花壇の土が土台面より高く盛られているところがある
リビングルーム

- 南側(石神井川)方向に最大45ミリほど傾いている
- 内装建材にアスベスト含有を確認しました
- 窓も単板ガラスで寒いです
分電盤

- 時代の流れと共に改修してきた分電盤、全体の容量はOK回路数が不足
kitchen

- 奥行き60センチ!当時高級機TOTOのシステムキッチン
- ホーローシンクは堅くて食器が割れやすかったです(シンクはある程度弾力が必要)
西面タイルのクラック

- 下地モルタルまで完全に割れてしまっている外壁
- 内部軸組の腐朽が心配です
建物の傾き

- 1.8mで15ミリ程傾き
- 床は最大47ミリ下がっているところがありました
軸組の腐朽

- モルタルとったら痛んでいるところがあちこちに
土台や柱端部がこんなに腐朽

- 漏水していたところはこんなにも土台などが腐朽していました
軸組の腐朽

- 大きなクラックの有った所は柱にも梁にもダメージがあり入れ替えをします
スケルトンに解体しました

- 建物の傾きと腐朽対策でスケルトンにしました
- 仮の筋交いなどを取付ながら作業は進めます
建物をジャッキアップ

- 基礎が傾斜しているところは正規の高さまでジャッキアップ
- 土台と基礎の間はグラウトモルタルで埋めました
土台や柱端部がこんなに腐朽

- 2階梁を持ち上げると土台から柱が抜けてきます。地震でも同じ事が生じます
土台入れ替えてジャッキ後

- ジャッキアップして基礎と土台下端がこんなに空いてしまいました
土台下はグラウト材を充填

- グラウト材で埋めて、アンカーボルトは追加しました
既存土間解体

- 既存の土間は耐圧盤になっていない 基礎と一体になっていない為一端解体撤去
鋼管杭を55本打設

- 油圧単管くい打ち機で単管杭を55本打設2.5m位でくい打ち機では入らなくなる堅い川底の層まで打ち込みました10KNを想定しています
土間コンクリート

- 既存布基礎にD13の差筋をして、杭の頭部に荷重がかかるよう土間コンクリートを打設しましす
- 耐圧盤はD13@200で組みました
杭載荷試験

- 単管杭に建物上部構造を利用して載荷試験を実施
- 10kn(約1t)の荷重を杭の頭部にかけました
土間コンクリート

- 最低厚さ15センチで耐圧盤コンクリートを打設
制震テープ

- 構造用合板を張る前に軸組側に制震テープを貼ります
- 構造合板との間に入った制震テープが軸組の変異の力を熱エネルギーに変換して揺れのエネルギーを吸収し制震します
耐力壁の様子

- 元々直下率のよくない建物なのですが補強設計で各継手の金物補強仕様や壁量、壁倍率など設計に従って補強していきます
- 重心と剛心がほぼ一致する形で1,2階の壁の仕様を決めていきました
金具補強の様子

- 古い仕口に金物を取り付けましたが、理想の形でつかないところも出てきますが、工夫で代替え案を出して補強しました
構造用合板ノボパン

- 規定の間隔で規定の釘を打ちます
- サッシ回りのふかし補強材厚さ60ミリ(断熱パネルと同厚)を気密パッキンを取り付けた上で設置
サッシを取付

- 窓回り補強材にサッシを取り付けします
- LIXILの複合サッシTW Low-eトリプルガラス入りを取り付けします
外壁断熱パネル

- まるごと断熱用パネル60ミリを外壁に取り付け
気密テープ

- 窓回りとパネルの継ぎ目に気密テープを施工
防水シート施工

- 防水シートを断熱パネルの上に施工
床下断熱

- 床下は80ミリ厚のウレタン断熱パネルを大引き内に施工
サイディングはり

- スタッフのたっての希望で縦貼りにしました
デザイン的にすっきりした感じはしますが、横針に比べ雨仕舞いは劣るのではと思っています
縦貼りの方が建築の収まり的にはいいけど、結局シールに頼っているところが多いので大差ないかもしれませんね
外壁が完成

- サイディングが完成してほぼできあがったところ
- 黒い外壁に木目のアクセントがなかなかおしゃれに出来ました
外観

- パラペット、Kitchenスタジオの照明、水切りしたのライン照明がなかなかおしゃれと思います